「社内SEへの転職を考えているけど、どんなスキルが必要なの?」
そんな疑問にお答えします。
社内SEに求められるスキルは年代によってそれぞれ変わってきます。
一般企業内の情報システム部門に入る社内SEとしては、その企業の昇進の制度だったり年功序列が色濃い場合もあるので、出来るだけ若いうちにその企業に入れれば難はないと思います。
一方、ある程度年齢が上がってきてからの社内SE転職では、リーダークラス以上の即戦力能力を求められます。
では、年代ごとにどのようなスキルが求められるのか解説します。
目次
企業が社内SEを募集するのはどんなとき?
企業が社内SEを募集する背景は、主に下記2つです。
企業が社内SEを募集する背景
- ビジネスを拡大している際のIT分野要員の増強
- 社内SEの欠員、又は欠員が出そうなときの要員補充
この2つの背景がほとんど。
但し、20代なら採用後の育成も視野に入ります。
しかし、それ以降の世代は即戦力としての力を求められることが多くなります。
この、企業が社内SEを募集する意図によって必要とされる個別の要件は多少変わってきますが、後述する求められるスキル部分は共通性のあるものでまとめていますので参考にしてください。
ビジネスを拡大している際のIT分野要員の増強とは?
企業が何かビジネス上の新しい施策を打つとします。
その際に、情報システム部門の増強を図りたい意図で募集をかけます。
こういった企業に社内SEとして転職する場合、、
ポイント
- 新プロジェクトに技術を持った新らしい社内SEを参画させる
- 現行社員が新プロジェクトを実行委し、新しい社内SEに既存システムの運用保守を任せる
上記のどちらかとなるでしょう。
希望する企業が新プロジェクトへの配置を想定しているか、既存システムの運用保守を期待しているか、事前に確認することが大切です。
社内SEの欠員、又は欠員が出そうなときの要員補充
その企業に元々いた社内SEが退職する場合、補充として新しい社内SEを探している場合です。
メリットはその企業のIT分野に関して第一人者になれること。
ライバルが居ない 又は少ないとなれば、その企業でのキャリアパスの面でも有利になるかもしれません。
社内SEは今や企業にとって必要不可欠な存在ですので、安定して業務に取り組めるでしょう。
ただ、気を付けなければならないのが、元々いた社内SEが既に退職してしまっているパターンです。
引継ぎも不可能で、在籍の社員もIT分野がわからない場合、非常に苦労します。
十分内容がわかっている協力ベンダーがいる場合はまだマシですが、こういった場合は転職は避けたいところです。
年代ごとに社内SEに求められるスキル一覧
では、具体的な年代ごとの社内SEに求められるスキルはどういったものか見てゆきましょう。
20代
【技術面】
20代は成長過程であるため、極端に高い技術スキルを求められる事は多くはありません。
社内SEのシステム系・インフラ系いずれであっても、その企業ごとの考え方ややり方がありますので、今後あなたを育成していくときに妨げとならないよう、積極性や興味関心を持つ気持ちを持っておきましょう。
【人的な面】
一般企業に入りその中の情報システム部門で働き、IT業務を通して業務部門と一緒に自社ビジネスに貢献することから、第一に協調性が大切になります。
その上で、与えられた役目を地道にこなしながら自分の能力を上げてゆく気持ち、業務知識をどんどん蓄える意識も必要となります。
【ビジネススキル】
最初の段階はビジネススキルが完璧ではなくても大目に見てもらえます。
徐々に任される資料作成だったり、日々の社内での対面やメールなどにおける基本的なコミュニケーション力があれば十分でしょう。
20代後半~30代中盤
【技術面】
企業ビジネスを伸長させるために、技術力と業務知識を駆使して企業が求める結果を実現させる力が求められます。
その企業における習慣などできるだけ早く把握して、IT技術を適用させるポイントがわかる「勘どころ」を身に付けたいところです。
【人的な面】
この年代となるとグループのリーダー役になることもあります。
自分の作業のかたわら、グループとしての仕事をまとめるなどマルチな能力が必要となってきます。
時には、若手の技術面やそれ以外の事の相談に乗ったり、上司との折衝を行ったりと円滑な情報システム部門運営の一端を担うような存在となれれば言う事はありません。
【ビジネススキル】
会社の施策にこたえるため、業務部門と円滑なコミュニケーションがとれ積極的に改善に取り組むことが求められます。
オープンに自分のアイディアを発言したり改善案を提案したりといったスキルが必要となってきます。
30代中盤~40代前半
【技術面】
この年代では管理職クラスのパフォーマンスを発揮して、技術系よりもマネジメント系のタスクが出来る人が求められます。
経験を元に、例えばシステム開発ならばその立案~計画~完成の一連の流れがわかり、それも管理・運営できる技術が期待されます。
【人的な面】
しっかりとその企業の考え方・方針を理解して、それに応えるIT分野での企画が出来ることが必要です。
マネージャー職の能力として、予算管理や人の管理(社員・ベンダーなど)情報システム部門の運営で中核的な役割を求められます。
【ビジネススキル】
社内SEのお客さんは業務部門ですが、とかく部分最適化の依頼が多いもの。
それに対し、全体を俯瞰して全体最適化が図れるよう考え、業務部門と折衝するようなスキルが必要となります。
40代前半~50代
40代前半~50代は求められる層が明確に2つに分かれます。
1つは責任者クラスの役割(ここまでくると社内SEとは言わないかも)
もう1つは、現場要員として社内SEを続けるものです。
責任者クラスの役割を目標としハイクラス転職を行うなら、より経営層に近い位置で経営視点にもとづいたIT分野からの提案・提言などができる人材であることが求められます。
もしくは豊富な経験やプレゼン能力を活かし社内コンサル的な役割ができることをアピールし、転職先を探すといったことも考えられます。
一方で、責任者クラスの経験が乏しい場合や社内SEながらもエンジニア職を続けたい場合、そういった求人も少ないながらもあるのでちょっと目立たない自社ビジネスの後方支援的な役割にはあるかもしれませんが、技術を活かして働く方法もあります。
思っていたのと違う・・・とならないために。。
上記にまとめたこと以外にも、企業によって特有のものがあるかもしれません。
転職後に思っていたことと違う・・・といったことにならないよう、行き先を決定する前によく把握しておきたいところです。
まとめ

年代によって社内SEに求められるスキルは変わってきます。
大きくまとめると、、
20代
20代は成長する過程であるため、社内SEへの転職で過大なスキルは求められない。
今後のキャリア形成のために基礎となる技術・経験・自立性や協調性を身にけられる姿勢が大事といえる。
20代後半~30代中盤
20代後半~30代中盤は、技術力と業務知識を兼ね備え、企業ビジネスの伸長に役立つ実務経験が求められる。
リーダー役としてグループをまとめたり、業務部門と円滑なコミュニケーションがとれ積極的に改善に取り組むといった姿勢が求められる。
30代中盤~40代前半
30代中盤~40代前半は、実務的な技術力を発揮するよりも、システム開発の立案~計画~完成までの一連の流れを管理できる能力が期待される。
マネージャー職の能力も求められ、予算管理や人的資源の管理なども期待される。
40代前半~50代
40代前半~50代は求められる層が明確に2つに分かれます。
1つは経験した業種における高度な業務知識とIT分野の知識を兼ね備えた責任者クラスの業務がこなせる人。
もう1つは、持っているIT分野の知識で出来る既存システムの運用保守など、比較的現場に近い後方支援の業務が可能な人。
このように年代ごとに見てゆくと、やはり社内SEを目指すのであれば20代~40代前半が有力で、社内SEとしての転職先が見つけやすくなります。
社内SEとなった後のキャリア形成には時間が味方してくれる場合もありますから、早めに検討開始しておくことが後々の人生で成功できる可能性が高くなるでしょう。
以上